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筒香嘉智が語った、少年野球における「母親の問題」と「お茶当番」

posted2020/09/23 20:00

 
筒香嘉智が語った、少年野球における「母親の問題」と「お茶当番」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

筒香嘉智が少年野球の問題を語った

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph by

Yuki Suenaga

「文春オンライン」で好評だったスポーツ関連記事をNumber Webの読者に向け特別公開します!(初出・文春オンライン 2019年1月27日)

 横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智外野手が1月25日、東京都内の日本外国人特派員協会で記者会見を行い、子供たちを取り巻く野球環境の改善へ、提言を行なった。

 これまでも自身が中学生時代に所属した堺ビッグボーイズの小学生部「チーム・アグレシーボ」の体験会や生まれ故郷の和歌山・橋本市の「スポーツ推進アドバイザー」就任など、機会がある度に野球界の改革を訴えてきた。キャンプイン直前となるこの日は、海外メディアに向かっても、いま日本の青少年を取り巻く野球環境の危機について強く訴える機会を得たわけだ。

 冒頭に「少子化の6倍から10倍のスピードで野球人口が減っている。その中で小さな子供がムリをしすぎて手術をしたり、ケガをして野球を断念する姿を見てきた。そういう野球界がもっと良くなるために」と会見を行なった趣旨を説明。その後に質疑応答が行われた。

筒香が一貫して主張する「勝利至上主義の弊害」

 その中で筒香が一貫して主張し続けていたのが「目先の勝利ではなく、子供たちの将来を見据えた野球環境を作ること」だった。

 特に練習のしすぎや、投げ過ぎによる子供たちの肉体への影響については、慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三医師が作成した資料を配布。昨年の12歳以下の日本代表15選手のうち、肘の内側障害があった選手が67%の10人だったのに対して、同医師がドミニカで調査した224人の同年代の選手では約18%の41人だったという事例を紹介。

「負けたら終わりのトーナメントではメンバーも固まり、連投や肘、肩の故障も増える。ルールで球数制限や練習時間を決めるべきだと思う」と訴えた。

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