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ビジャレアル・久保建英の新任務。
精鋭揃いの新チームで目指すのは。
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph byPablo Morano/MB Media/Getty Images
posted2020/08/18 11:50
ビジャレアル移籍が決まり、印象的な黄色いユニフォームに身を包んだ久保建英。更なる飛躍を期待したい。
「個」が揃うチームで久保はどうするか。
ビジャレアルでの久保は、昨シーズン在籍したマジョルカとは異なるタスクを担うことになります。
1部残留が目標だったマジョルカでは、アタッカーにも守備が求められました。そのうえでチャンスメイクをすることが、久保の主たる役割でした。マジョルカでは試合を重ねるごとにプレーのレベルを上げていき、それゆえにマークが集中する傾向が強まりましたが、ビジャレアルにはクオリティの高い「個」が揃っています。相手のマークは分散するでしょう。
私自身はパレホの存在が大きいと考えます。バレンシア在籍時の彼は、前線に質の高いボールを供給していました。エゴイスティックなプレーもしません。久保の良さを引き出してくれるのでは、という期待を抱かせます。
そういったことも踏まえると、ビジャレアルではチャンスメイクからもう一歩進んで、より決定的な仕事が求められます。ゴールにつながるラストパスや、他でもない久保自身の得点です。
世界のトップGKから得点する技術。
昨シーズン終了後に一時帰国した際には、ラストパスやシュートをさらにグレードアップするためのトレーニングをしました。ビジャレアルでしっかりとした立場を作り上げ、レアル・マドリーから呼び戻されるためには、ティボウ・クルトワ(レアル・マドリー)、ヤン・オブラク(アトレティコ・マドリー)、マルク・アンドレ・テア・シュテゲン(バルセロナ)といった世界的GKを攻略する必要があります。世界のトップ・オブ・トップのGKから得点するためのシュートやパスの技術を装備することを、彼は考えていました。
同時に、各国代表クラスのDFで構成される守備ブロックを、いかにして打ち破っていくのかにも目を向けています。ラ・リーガで1シーズンを戦ったからこそ、さらに高いレベルで戦える自分を追い求めているのです。