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和田康士朗、一歩一歩夢へ進んだ道。
ロッテの俊足が2020年を駆ける! 

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永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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photograph byKyodo News

posted2020/06/19 11:30

和田康士朗、一歩一歩夢へ進んだ道。ロッテの俊足が2020年を駆ける!<Number Web> photograph by Kyodo News

ロッテで活躍が期待される和田康士朗。足の速さが一番の武器だ。

近所のお兄ちゃんがプロ選手に。

 そんな経験もしてきた和田の体付きが、明らかに変わって来たように感じたのは昨シーズンを迎えたあたりからだ。

 入団直後の“近所のお兄ちゃん”的な雰囲気がすっかり薄れて、プロの選手にふさわしい逞しい体付きに成長した。

 身体が出来上がってきたことで、技術もそこに追い付いてきた。

 昨年から二軍の打撃コーチを務めている福浦和也の指導もあって打撃技術もみるみる進化。それまでは柳田悠岐ばりの豪快なスイングばかりがメディアで注目されてきたが、試合でも芯で捉える打球が増えて、ファームでの打撃成績は103試合出場で打率.264、本塁打も6本と大幅に上昇した。

 今季に入ってもその勢いは衰えなかった。

 6月2日からの練習試合でも、一軍の投手達を相手に9打数3安打と活躍。1試合1打席程度のわずかな出場機会だったが、少ないチャンスを着実にモノにする働きを見せた。

両親に感謝の気持ちを伝えたい。

 これで開幕一軍入りも確実。プロ入り後初の公式戦出場に向けまた一歩前進した。

 6月1日の支配下登録の際に和田は、千葉ロッテマリーンズ公式サイトにこれまでの想いを綴っている。

「嬉しいですしホッとしています。両親に感謝の気持ちを伝えたいです。ここまでの道のりはとても長く感じ、心が折れそうになったこともメチャクチャありました。母に電話をして相談をしたこともありました。母からは『悔いが残らないようにやりなさい』、『中途半端にだけはならないようにしなさい』と励ましてもらい、その言葉がこれまでの自分の支えでした。自分のアピールポイントは足だと思うので、まずは足でチームに貢献をしたいと思っています。」

 開幕3戦目となる6月21日はちょうど父の日になっている。

 球界に出現した新たな“韋駄天”が両親への感謝を胸に、塁上で最上のスタートを決める。千葉ロッテの「ジョーカー」となる日はもうすぐそこだ。

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