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本田圭佑、移籍4カ月で1試合のみ。
コロナ拡大&給料遅配という逆境。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byREUTERS/AFLO

posted2020/05/29 18:00

本田圭佑、移籍4カ月で1試合のみ。コロナ拡大&給料遅配という逆境。<Number Web> photograph by REUTERS/AFLO

冬に突入する南半球で、新型コロナウイルスの感染拡大が続くブラジル。本田圭佑の挑戦への影響は最小限であってほしい。

本田は4カ月近く滞在で1試合のみ。

 本田は、東京五輪のメンバーに選ばれるためのアピールの場を求めてブラジルへやってきた。

 にもかかわらず4カ月近く滞在しながら、出場はわずか1試合。家族を日本に残して不自由な生活を強いられながら、シーズン再開のメドが立たず、チーム練習すらできない。これは、彼にとって由々しき事態であるに違いない。

借金地獄をボタフォゴ番記者も懸念。

 もう1つの問題は、さらに深刻だ。

 ボタフォゴは昨年末の時点で約7億レアル(約140億円)という巨額の負債を抱え、昨年だけで2回、選手とコーチングスタッフへの給料遅配が報じられた。

 3月中旬にシーズンが中断されてからクラブの収入は激減し、財務状況は一層悪化。3月以降、選手とコーチングスタッフに給料の大部分が支払われていない。

 日本では考えられないことだろうが、ボタフォゴに限らず、ブラジルではクラブの給料遅配が頻発する。その場合、選手のモチベーションが地に落ちてチームの成績が低迷するのが通例だ。ほとんどの場合、連敗地獄に落ちる。

 今後ボタフォゴの給料遅配が続くと、本田自身の経済的損失もさることながら、いざシーズンが再開されてもチームが低迷し、そのことが本田のプレー内容にも悪影響を与える可能性が高い。

 あるボタフォゴ番記者は「ボタフォゴが現在の借金地獄から自力で脱出するのは、もはや不可能だろう。クラブの幹部自身、外国資本から買収されるのを望んでいるようで、サウジアラビア、アメリカなどのファンドや企業体と水面下で話し合いを進めている」と明かす。

 そして「外資が注入されたら、ようやく選手らへの給料が遅滞分も含めて正常に支払われるのではないか」とも解説している。

【次ページ】 東京五輪に向けて厳しい状況。

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