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DeNAリリーフ陣の“長男“が復活へ。
三上朋也「今季は全力でぶつかる」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNaoya Sanuki
posted2020/02/02 11:40
2016年に59試合、'17年に61試合、'18年に65試合と登板を重ねたが、昨季は6試合に留まった。
成長した頼もしい弟たちと共に。
いつだって冷静であり、切り替えが早く、どこか悔しさとは無縁とも思える三上であるが、内なる炎は当然のように持っている。夏になり、徐々に自身の復帰が近づいてくると闘争心が湧き、チームの結果に感情が揺さぶられるようになっていった。そして優勝争いの最中にあった9月8日の中日戦で三上は術後約4カ月で復帰を遂げるが、6回の裏に0-1
の場面でマウンドに上がると1イニングで3失点し、再び登録抹消となった。三上の昨シーズンはこれで終わった……。
「マウンドに立つ前のコンディションは良かったんですよ。ただ肘の馴染みというか、綺麗に振れていない感覚がありましたね。全身の連動も悪く、投げていてぜんぜん気持ち良くなかった。しっかりと合わせられなかったことが悔しくて仕方なかった」
その悔しさを晴らすには、言うまでもなく再びマウンドに君臨するしか方法はない。3月20日の開幕に向け、三上は自信を持って語る。
「現時点ではずいぶん馴染んで、昨年の登板のときとは違った感覚を得ています。怪我の原因はわかっていますし、自主トレではケアも強化も上手くいきました。そういう意味でも、今シーズンはしっかりできそうだなと思っているし、楽しみというか気持ち的にもいい状態にありますね」
晴れやかな三上の表情。ブルペンの長男坊は、不在中に成長した頼もしい弟たちと一丸となって22年ぶりのリーグ優勝へと向かう。
最後に改めてプロ生活で初めて足を止めて自分と向き合った日々はどうだったかと尋ねてみた。
「自分を客観的に見られたし、想像もできた。悪くない経験でしたよ。けど、なんか変に落ち着いてんなあと思ったりもして(笑)」
それが三上朋也という人間である。
「とにかく今シーズンは全力でぶつかって、なるようになるしかない。負けないように頑張りますよ」