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リスグラシューは圧勝、他は大混戦。
こんなに票が割れるJRA賞は珍しい。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYasuo Ito/AFLO

posted2020/01/15 07:00

リスグラシューは圧勝、他は大混戦。こんなに票が割れるJRA賞は珍しい。<Number Web> photograph by Yasuo Ito/AFLO

有馬記念でアーモンドアイとの頂上対決を完勝し、年度代表馬も手にしたリスグラシュー。引退式は1月19日に京都競馬場で行われる。

ダービー馬もオークス馬も選ばれず。

 年度代表馬こそすんなりだったが、そのほかのいくつかの部門では、近年では珍しいぐらい記者投票の票が割れた。

 その最たるものが、最優秀3歳牡馬だ。皐月賞はサートゥルナーリア、ダービーはロジャーバローズ、そして菊花賞はワールドプレミアと、3頭が三冠を勝ち分けた。

 3頭とも'19年のGIは1勝ずつだったのに対し、アドマイヤマーズがNHKマイルカップと香港マイルを勝ち、クリソベリルが大井のジャパンダートダービーとチャンピオンズカップを無敗で制するなど、クラシックホースではない馬が年内にGIを2勝していた。

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 どの馬が選ばれるのか予想するのも難しい大混戦だったが、結局、サートゥルナーリアが124票で選出された。次点がアドマイヤマーズで107票。3位はクリソベリルで、24票だった。

 最優秀3歳牝馬も票が割れた。桜花賞馬グランアレグリアが121票で選出され、無敗のオークス馬ラヴズオンリーユーが99票で次点。

 グランアレグリアはNHKマイルカップの敗戦(4位入線5着降着)で株を下げたが、阪神カップで古馬を5馬身切って捨てた。対するラヴズオンリーユーは、エリザベス女王杯で3着に敗れ、連勝が途切れたのが痛かった。

国内GIを勝っていない馬が選出。

 最優秀4歳以上牡馬も僅差だった。香港クイーンエリザベス2世カップと香港カップの香港GIを2勝したウインブライトが136票で選出され、安田記念とマイルチャンピオンシップの春秋マイルGI制覇を果たしたインディチャンプが118票の次点。

 ウインブライトは国内のGIを勝っていないのだが、「インディチャンプは最優秀短距離馬に当確だから、こちらはウインブライトに譲ってもいいだろう」という考えが投票結果に出たのかもしれない。

 これらとは逆に、思ったほど票が割れなかったのは最優秀障害馬だ。中山大障害を勝ったシングンマイケルが175票を獲得。中山グランドジャンプを圧勝して次点になったオジュウチョウサンの95票に大差をつけて選出された。

【次ページ】 朝日杯=2歳王者の法則が崩れた。

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