フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
全日本フィギュア、宇野昌磨が復活。
羽生結弦が不振。それぞれの理由。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2019/12/24 19:00
2位に終わったものの、試合後は笑顔も見せた羽生(左)。宇野は不振から見事に復活を遂げた。
4アクセルは「ぼく自身のプライド」。
実は羽生はまだこの大会のタイトルは持っていない。最後に出場したのは平昌オリンピックのテストイベントとして開催された2017年2月で、ネイサン・チェンに次いで2位に終わった。
「四大陸は1つのぼくの壁なんで、そこでネイサンと当たるかもしれないですし、今は負けてしまった昌磨という壁がある。ベストコンディションで思い切り当たりたいなと思います」
そこで4アクセルに挑戦する可能性もほのめかした。
「今、圧倒的な武器が必要なので。(4回転)ルッツに比べたら1点しか変わらないので、価値があるものなのか、ルッツを2回やったほうが良いのかもしれない。
でも(4アクセルは)ぼく自身のプライドなので、絶対に跳びたいなと思っています。それを含めたうえで四大陸をどれだけこなしていくか、どれだけ成長できるかということで、今回希望しました」
これまで2度もオリンピック金メダルを手にしながら、怪我で療養期間中以外、まったく競技活動を休んでこなかった羽生。
少しくらい自分をいたわって、休養をとっても良いのではないかと感じることもある。だが現在のところ、羽生の競技に対する思いの炎の勢いは弱まる気配はなさそうなのである。