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Bリーグ西地区最下位から滋賀が変貌。
メンタルトレで「いつもポジティブ」。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2019/12/06 20:00
12月6日現在、3ポイント成功率TOP10に高橋耕陽(8位、40.9%)、狩野祐介(写真、9位、40.0%)の2名がランクインしている。
常に良い雰囲気で試合に臨む。
滋賀はシーズン序盤、勝ち星は伸びなかったものの競った展開が多かった。それこそまさに、メンタルトレーニングの効果が顕著に表れた結果だと伊藤は言いきる。
「もしかしたらもっと早い時間帯に集中が切れていたかもしれないところを、最後までしっかり戦えているのはメンタル強化のおかげ。いろんなタイミングでハドルを組んでポジティブな言葉をかけあうことで、気持ちを切らさずにプレーできています」
キャプテンである狩野も「僕が雰囲気を良くしようとする前に、周りの選手がそれをやってくれている」と証言。タイムアウト時やハーフタイムなど、事ある毎に誰彼となくポジティブな言葉が発せられており、チームは常に良い雰囲気で試合に臨むことができている。
そして、デニスヘッドコーチも選手に対して「我々はリーグでベストのシューティングチームになれる」と暗示をかけるかのように繰り返してきた。
3ポイントのリーグ新記録を樹立。
その結果、11月8日の富山グラウジーズ戦では狩野の10本を含む3ポイント20本成功のリーグ新記録を樹立。翌9日の同カードでも計16本成功。
第9節まで消化した時点で、滋賀はフィールドゴール試投数の45.7パーセントを3ポイントが占めているが、これは川崎ブレイブサンダースの40.0パーセントを大きく上回り、リーグで最も高い割合。成功数もリーグ最多で、昨シーズンまで3ポイントの精度に悩まされてきた感のある滋賀は今や3ポイントで相手に脅威を与えるチームに変貌した。
とはいえ、B1復帰を果たした島根スサノオマジックの健闘もあり、滋賀は西地区最下位。「コーチが求めているのはハードなディフェンス」と伊藤が言うように、接戦を勝ちきるためにも今後はディフェンスのタフさが必要となる。
その源になるのはおそらく、デニスヘッドコーチが「試合が続いていく中で、必ず大きな助けになっていく」というメンタルトレーニングで培われた精神的な強さに違いない。
「僕はメンタルトレーニングを信じている」とは狩野の言葉。シーズン中盤以降の滋賀の戦いぶり、中でもそのメンタルのタフさには大いに注目すべきだろう。