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岡崎慎司、今は周囲に合わせない。
スペイン2部で再びストライカーに。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byAFLO

posted2019/11/16 11:50

岡崎慎司、今は周囲に合わせない。スペイン2部で再びストライカーに。<Number Web> photograph by AFLO

スペイン2部で岡崎慎司はストライカーの本能を取り戻そうとしている。周囲に合わせるスタイルとは一度お別れだ。

2部で「普通にいい」では足りない。

「スペイン2部のレベルが低いわけじゃないということは、強く認識して来ました。実際、チーム間の力は拮抗しているし、うまい選手たちも多い。想像以上に難しいリーグだと思っています。

 だけど、やっぱり2部は2部なんです。ここで『普通にいいプレーができた』という感じだけでは、ダメなんだろうと思う。同時に、この2部で試合に出られなくなったらもう1部への道を絶たれてしまうんじゃないかという危機感もあります。2部には1部とは違う種類のプレッシャーがあり、また別のメンタルの強さが問われる場所だなと思う」

 そんな岡崎のコメントを訊きながら思い出したのは、あるJリーガーの言葉だった。

内田篤人も抗う期待値と現実の差。

「俺は普通にプレーしていたんじゃ、代えられるでしょう」

 これは10月18日松本対鹿島の試合後、先発出場し45分で交代した内田篤人のコメントだ。この日の試合で内田は、ミスで2度ボールを相手に渡している。これは明確なミスだった。

 それ以外の点でも、「すべて自分でやろうとした。もっとシンプルにやればよかった」と、自身の非を認めている。

 記者席から見ればボールへ積極的に絡んでいるように見えたが、「気持ちが入りすぎた」と振り返る内田の言葉を聞くと、ある意味若い選手のような「青いプレー」だったのかもしれないと思い直した。

 内田自身のキャリア、立場を考えれば、それは彼に求められたレベルのプレーではなかった。たとえ自分でボールを持たずとも、ゲームをコントロールする、そんな仕事が課せられたはずだったが、それが果たせなかった。

 だからこそ、「普通のプレーでは代えられる」という言葉が生まれる。欧州チャンピオンズリーグベスト4を経験した内田篤人のプライドなのだろう。

【次ページ】 岡崎の目標は1部でプレーすること。

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