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ルイビル大・今野紀花がNCAAの舞台へ。
名将が語るデビューまでの道のり。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byJeff Reinking/Louisville Athletics
posted2019/11/13 17:00
11月5日のウエスタン・ケンタッキー大戦でデビューした今野。26分間で9得点、1リバウンド2アシストをマークし勝利に貢献した。
「成長したいなら3Pの向上が必要」
今野は高校時代からドライブからのフィニッシュ、ミドルレンジのジャンプショットに定評があった。
しかし、3Pシュートの成功率を上げることはNCAAで活躍するために必要であり、ウォルツコーチも「我々は3Pシュートをレベルアップさせなければならないし、彼女も弱点としてわかっている。多くの選手が弱点を認めたがらないけど、彼女は我々との会話で“成長したいなら3Pを向上させなければならない”ということを理解している」と話す。
NCAAトップレベルの強豪に進んだ今野が、チームメイトとの競争とハードワークで勝ち取らなければならない中で、1年生から出場機会を得られるのか? ウォルツコーチはその問いにはっきり答えた。
「もちろんだ。(U19女子ワールドカップで)彼女のプレーを見て私は勇気づけられた。1年生からチームに貢献できると思う。
日本のスタイルからアメリカのスタイルへと切り替えるうえで順応しなければならないことは少なからずあるけど、彼女が持っている1対1のスキルは通用すると思っている。ボールコントロールが素晴らしいからだ。それに、いいガードが2人卒業したから、我々は後継となる選手を探しているんだ」
デビュー戦で9点、2アシスト。
8月下旬に渡米してから2カ月強の11月5日、今野はホームアリーナであるKFC YUM!センターで行われたウエスタン・ケンタッキー大戦でついにNCAAデビューを果たした。
8304人の観客が見守る中の試合で、控えのガードながら26分間プレーし、ドライブと速攻のレイアップがいずれもバスケットカウントの3Pプレーになるなど、9点、2アシストを記録。チームも75−56で勝利を手にした。
試合後、ウォルツコーチが「彼女はとてもいい選手であり、我々にとってすごく重要だ」とコメントしたことからも、今野は即戦力の1年生として出場機会を得るだろう。対戦相手のウエスタン・ケンタッキー大は昨季20勝するなど決して弱いチームでないことからすれば、今野のNCAAデビューは上々と言えるものだった。