周りから「明るくなったね」と。

　アルトゥニアンと本田氏のジャンプに関する理論や方法論は「一緒です」と言う。こうして進んできたアメリカでの2年目。

「最近、周りの方から『明るくなったね』と言われていて。去年とかはどこか心の不安が出ていたのかなと思うので、ちょっとずつ気持ちの部分でも前向きにできているんじゃないかと思います」

「ちょっとずつ英語の部分でも誰かと話さないといけないなとか、完全にシャットアウトしていたところから、ちょっとずつ殻を抜け出せているような生活をしています」

　そうした発言には変化がうかがえた。でも、変化したという事実をたしかなものにするのは、氷上での演技にほかならない。だから今はまだ、アメリカに拠点を移してからうれしかったことは「ないです」と言う。そしてこう続けた。

「これからうれしいことがあるように、今、頑張っています」

　10月25日、本田にとってグランプリシリーズ初戦となるスケートカナダが、その翌々週には中国大会が控える。変わっていけることを自ら確かめる舞台となる。

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