ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
日本ハムに小笠原道大が戻ってくる。
再会した広報が思い出した威圧感。
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph byKyodo News
posted2019/10/15 19:00
10日の会見で栗山英樹監督(左)と握手する小笠原道大新ヘッド兼打撃コーチコーチ。14年ぶりとなる復帰で「恩返し」を誓う。
再建への強烈なエッセンス。
会見を終えた後、少し雑談をする時間があった。
「小笠原さん」からは繰り返し、同じ質問をされた。当時、在籍していた裏方スタッフの近況について、事細かに聞かれたのである。
見た目は武骨で、近寄りがたいが、スタッフを大切にする方だった。猛烈な練習量に付き添ってサポートする人たちを、よく食事へと招いているシーンも目にしていた。
退団した方に関しては身の振り方や近況、健在なのかどうか。配置転換された方は、新たなポジションでどのように活躍をしているのか。ひとりひとりの身を、案じながら記憶を紐解いていたのである。そこには、当時ともに戦った個々への思い入れがにじみ、あふれていた。
2020年、栗山監督の参謀役として戻ってくる。10月30日から始まる秋季キャンプから始動する。
そんな「小笠原さん」の精錬された強さ、野球と選手へと注ぐ体温。再建への強烈なエッセンスになると、信じている。