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日本馬が久々のキングジョージ出走。
シュヴァルグランがエネイブルに挑む。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/07/26 07:00
2006年のキングジョージで父ハーツクライは3着に涙を飲んだ。13年越しの夢に万全を期して臨む。
「さすが日本のGIホースです」
「1マイルハーフ(2400メートル)での日本馬の強さはよく分かっています。そんな中、ジャパンCを制した馬に乗せていただけるなんて、そんな嬉しい話はありません」
騎乗依頼を承諾すると早速2週連続で跨り、ジャパンCウィナーへの印象を次のように続けた。
「さすが日本のGIホースです。素晴らしい動きをしてくれました。乗り易いし、言われなければ休み明けとは分からないくらい良い反応をしてくれました」
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休み明けの馬が苦戦する事では凱旋門賞が有名だが、このキングジョージVI世&クイーンエリザベスSも同様だ。しかし、そんなネガティブな意見にもマーフィー騎手はかぶりを振って答える。
「皆さんご存知のように日本はテクノロジーがどこの国よりも発達しています。そういった環境下で仕上げているから、こちら(ヨーロッパ)の馬ほど休み明けというのを気にする必要はないと思っています」
イギリスでも科学的根拠のもとで。
この言葉を裏付けるように語ってくれたのが友道調教師だ。日本と違うイギリス・ニューマーケットという環境で、同じように負荷をかけられるのか。そう問うと、師は次のように答えた。
「乗り手の感覚は大事ですが、同時に心電図を取って、数値をみながら、ここではどのくらいやればどの程度の負荷がかかるのか、というのを逐一確認して進めています」
そういった科学的根拠の下で、友道調教師は話を続ける。
「最終追い切りを終えた時点で、とりあえずは予定通りに運んでいます」
その最終追い切りには、先述したようにマーフィー騎手が騎乗。競馬の聖地ニューマーケットの、数ある調教場の中からアルバハスリというポリトラックのコースで追われた。