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ブラジルを「解放」したコパ優勝。
リオは季節外れのカーニバル状態に。
posted2019/07/08 12:30
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
コパ・アメリカ決勝、ブラジルが3-1でペルーを下したというスコア以上に、緊迫した内容の試合だった。
立ち上がりは、ペルーが高い位置から強烈なプレスをかけてブラジルの攻撃を封じ、MFクリスティアン・クエバ(サントス)らが惜しいシュートを放った。
しかし、15分、右タッチライン沿いでロングパスを収めたガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)がドリブルでDFをかわし、ファーサイドへクロス。これをエヴェルトン(グレミオ)がダイレクトボレーで叩き込んだ。
早い時間帯に先制点が欲しかったブラジルにとって、理想的な展開だった。
逆に、ペルーにとっては厳しい状況となった。ブラジルはその後も攻め込み、24分と36分に決定機を迎えたが、コウチーニョ(バルセロナ)、フィルミーノ(リパブール)のシュートがわずかに枠を外れた。
同点PK、しかしジェズスが大仕事。
ここまではブラジルのペースだったが、41分、試合の流れが変わる。ペルーのMFクエバの右からのクロスがブラジルのDFチアゴ・シウバ(パリ・サンジェルマン)の手に当たり、主審はPKの判定。これをパオロ・ゲレーロ(インテルナシオナル)が決めて追いついたのだ。
ペルー人の観衆が飛び上がって喜び、地元のファンは静まり返る。
しかし、前半の追加タイムにブラジルが流れを引き戻す。中盤でフィルミーノがDF顔負けのスライディングタックルで相手ボールを奪い、MFアルトゥール(バルセロナ)がゴール正面へ絶妙のパスを送ると、ジェズスが蹴り込んだ。
後半初めは、ブラジルの攻勢。立て続けに決定機を作るが、コウチーニョらのシュートが惜しくも外れる。
この時間帯に追加点を奪えなかったのは、ブラジルにとって不吉な予兆だった。