オリンピックへの道BACK NUMBER
競泳・大本里佳の活躍が目覚しい。
危機感と悔しさを力に「東京こそ」。
posted2019/07/08 08:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
ようやく得ることのできた日本代表の肩書きとともに、今シーズン急成長を遂げたスイマーが、大舞台を目前にしている。
7月12日から28日にかけて、世界水泳選手権が開幕する。アーティスティックスイミング(シンクロナイズドスイミングから名称変更)、オープンウォータースイミング、飛込み、ハイダイビング、水球そして競泳の6つの競技が実施される。
このうち21日にスタートする競泳で注目される1人が、大本里佳だ。
2019年になってからの活躍はめざましい。1月下旬に行なわれた南オーストラリア州選手権では6種目に出場し、そのすべてで自己ベストをマーク。中でも200m個人メドレーでは、自身初の2分9秒台に乗せる2分9秒93をたたき出し、自己ベストを1秒05更新する幸先のよいスタートを切った。
4月の日本選手権200m個人メドレーでは、2分9秒91と再び自己ベストを更新、第一人者の大橋悠依に次ぐ2位。代表選考基準となる派遣標準II(2分10秒97)を大きく上回り、初めて世界選手権代表入りを決めた。
第一人者の大橋を抑え優勝も。
快進撃は止まらない。
5月のシドニーオープンでは自己ベストをさらに1秒27更新、2分8秒64で大橋らを抑えて優勝したのである。その後のジャパンオープンでは100m自由形で優勝。タイムもリレーメンバーの派遣記録をクリアする54秒18で、200m個人メドレーに続いて日本代表となった。
大本は現在、大学4年生の22歳。1歳から水泳を始め、12歳のとき、200m個人メドレーの学童新記録を樹立し、中学時代はジュニア代表として国際大会も経験した。
高校生になってからは2014年のパンパシフィック選手権日本代表になるなど、早くから将来を嘱望され、常に上位を争う位置にいた。'14、'15年にはジャパンオープンを連覇してもいる。身長173cmと、身体的にも恵まれていた。