ライガーにも、武藤にも息づく闘魂のDNA。

　今回の特集で取材したライガーもそうだった。

「僕は猪木さんが大好きなんだよ。大好きだから話を聞くし、反発もするし」「すごいですよ、あの人はすごい」

　質問への回答が「また猪木さんの話になっちゃうけど……」と何度も猪木の教えに行き着くたびに、ライガーにとっての影響力の大きさを窺い知ることができた。

　プロレスラーとしては相いれない部分が多かったように思える武藤も、自らのプロレス哲学を語った今回のインタビューの中で意外な場面でその名前を口にしている。

　リングにも、会場にも姿はなくとも確実に息づく闘魂のDNA。直接薫陶を受けた世代がどんどん減っていったとしても、日本のマットにそれは生き続けるのだろうか。最後にそんなことを思った。