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F1を変えたCVCがラグビー界に参画。
赤字続きのイングランドリーグは変わる?
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byGetty Images
posted2019/05/27 10:00
2015年からラグビーイングランド代表の指揮するエディー・ジョーンズ。自国のプロリーグは大きな転換期を迎えている。
転換期を迎えるイングランドラグビー。
世界中の代表チームやプロクラブにラグビー用品を提供する『ライノ・グループ』のCEO、レジ・クラーク氏は、この一連の動きについてこう語っている。
「イングランドのプロラグビーは現在、いろいろな意味で第2フェーズを迎えようとしており、CVCの株式取得はこの転換期において非常に大きな意味を持つと言えるでしょう。これまでパトロンとも言える形でクラブを支えてきた億万長者のオーナーたちは、CVCがリーグへもたらす利益を必要としています。
ただ、これは大きな力を持った新しいステークホルダーの登場となり、今後のイングランドラグビー界の力関係に変化をもたらすことになりえません。興味深く見守っていきたいと思います」
代表活動との関係性。
選手を徹底的に鍛え上げる手腕で知られるエディ・ジョーンズ氏の監督就任以来、代表合宿中に負傷する選手が続出し、伝統的に利害関係が相反するこの国のクラブと代表の関係が、さらに悪化した時期があった。
しかし、同監督はこの件について、「プレミアシップのクラブとの関係を良好に保つのは、私の大事な仕事の1つ。都合の付く限り、代表選手を輩出しているクラブを訪れ、監督やコーチ陣とのコミュニケーションをしっかりととっています」とコメントしている。
投資ファンドの参画の受け入れという大きな決断を下したイングランドのプロラグビー。この決断は様々なステークホルダーにとって今後どのような影響を与えていくのであろうか。