フランクフルトは、いつもとおりの空気。

　一息ついて、フランクフルトに帰還しました。

　歩道に建てられた掘っ立て小屋では今が旬のホワイトアスパラガス「シュパーゲル」が背筋をピンと伸ばして並べられています。夏至へ向かう街中は新緑の木々が生い茂り、その葉先に太陽の光が当たってきらきらと輝いています。

　行きつけのパブへ寄ると、馴染みのおばちゃん店主が「元気？」と言ってカウンターにそっとビールを置いてくれました。「とてもいいよ！」

　1つの旅が終わったら、また次の旅が始まる。

　貴重で掛け替えのない経験を得た末に帰る場所は、それぞれが、それぞれに思いを馳せ、慈しみを抱く、愛する街。祭りのあと。2019年5月10日のフランクフルトは、静謐で、穏やかな、心安らぐ風が吹いていました。