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サートゥルナーリアで凱旋門賞を!
ウオッカを育てた角居師の大挑戦。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKeiji Ishikawa
posted2019/04/16 17:00
ヴェロックス、ダノンキングリーと横一線となったゴール前だったが、サートゥルナーリアが1枚上手だった。
ヴィクトワールピサでドバイW杯制覇。
また、この牝馬が引退する際、バトンを受け継ぐように厩舎を引っ張ったのがヴィクトワールピサだ。角居師はこの馬で'10年の皐月賞と有馬記念を優勝すると、翌'11年にはドバイへ遠征。現時点で唯一となる日本馬としてのドバイワールドカップ(ドバイ・GI)制覇を達成した。
当時のドバイワールドカップはダートではなくオールウェザーの一種であるタペタという馬場で行われていた。この適性が芝馬にあると見抜いた角居師は、芝のGIホースでこれに挑戦。“してやったり”の優勝劇を演じてみせたのだ。
さて、そんな角居師をしてもまだ手が届いていないのがヨーロッパの頂点、凱旋門賞(フランス・GI)だ。
先述のヴィクトワールピサでは2度挑戦するも、'10年は7着に敗れ、翌'11年は現地で故障を発症。志半ばで緊急帰国した。
すでに'21年をもって厩舎を解散すると発表している角居師にとって、凱旋門賞に挑めるチャンスは今年と来年の2度しか残されていない。海外GI勝ちのあるロードカナロアとシーザリオの間に生まれたサートゥルナーリア。アーモンドアイとの激突が10月のパリで見られることを期待したい。