Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
スケボーではいま日本の4番手。
平野歩夢は五輪より「楽しむこと」。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAsami Enomoto
posted2019/03/19 18:00
「高さやスピード、自分にしかできない魅力的な滑りを伝えられれば」と思いながら滑ったと語った平野。
挑戦したことで何か伝われば。
現在の序列は日本の3番手。ストリートを専門とし、昨年のパーク世界選手権でも6位になった堀米雄斗を加えれば、4番手とも考えられる。
代表の座を得ることは容易ではなく、海外勢の壁はさらに高い。それは平野も分かっていることだ。ただしそれで悲観的になるわけではない。
「みんながあまり挑戦しないものにチャレンジしたことで、少しでも何か伝わればいい。この競技を始めたいとか、もっとうまくなりたいとか、夢を大きく、オリンピックを意識して頑張ってくれればありがたい。夢をさらに大きく持つことで、子供たちの未来が広がればいいなと、そう考えています」
挑戦するから背負うものがあり、挑戦したから脱ぎ捨てられたものもある。
東京五輪。その一点に縛られることなく、平野はスケートボードの上で今までと違う解放感とプレッシャーを楽しんでいる。