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早くも2019年のベストバウト候補。
田中恒成と田口良一がついに決戦。
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byKyodo News
posted2019/03/15 10:30
王者である田中恒成(左)に田口良一が挑む形だが、2人の関係性はそこまで単純なものではない。
早くも今年のベストバウト候補。
井上戦がそうだったように、相手が強ければ強いほど燃えるのも“雑草”田口の特徴と言えるだろう。「モチベーションは統一戦のときよりも高い。ボクシング人生で最高」というから頼もしい。
一方の田中もこの試合を落とすつもりは毛頭ない。世界3階級制覇をしながら、テレビ中継の全国放送は今回が2度目。その実力とは裏腹に、いまだ全国区の存在になれないことへの苛立ちもある。まだまだ満足はしていないのだ。
「田中くんに勝てば、本当のチャンピオンとして評価されると思う」(田口)
「厳しい試合は覚悟しているけど、絶対に勝つ」(田中)
両者のハートとテクニックが激しくぶつかり合うであろう岐阜の大一番は、世界戦における平成最後の日本人対決でもある。もしこの試合が年間最高試合に選ばれると、田中は木村戦に続いて2年連続のベストバウト受賞だ。