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同期の2冠王者を追う苦労人が散る。
谷口将隆を再び世界戦でみたい。 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byKyodo News

posted2019/02/27 11:30

同期の2冠王者を追う苦労人が散る。谷口将隆を再び世界戦でみたい。<Number Web> photograph by Kyodo News

世界の壁に弾き返された谷口将隆。しかし成長のペースは人によって異なる。再び頂上を目指してほしい。

谷口「まだ世界を獲る人間ではない」

 2017年の日本タイトルマッチ、東洋太平洋タイトルマッチはともに小差で勝ちきれず、悔し涙を流した。翌年には左手甲を脱臼して手術、ブランクも味わった。

 京口に差をつけられ、焦っていたという谷口は、ブランクを機に「自分のペースでいこうと思うようになった」。精神的な成長に加え、ディフェンスはいいものの攻めきれない自分のボクシングを反省し、攻撃性やパワーを強化。昨年11月、タイでWBOアジアパシフィック王座を獲得し、世界戦のチャンスをつかんだのである。

 それでもなお、世界には届かなかった――。

 谷口は「何が足りなかったかはパッと出てこないけど、自分がまだ世界を獲る人間ではないことが分かった」と口にした。井上トレーナーは「もう一度、土台から作り直します。次は日本タイトルからもう一度やり直すくらいでいきます」と自らに言い聞かせた。

 谷口はまだ25歳。またしても試練を味わうことになったが、乗り越えられない人間に試練は与えられないともいう。2年後なのか、3年後なのか……。苦杯を喫したサウスポーが敗北を乗り越え、たくましくなるさまを楽しみにしたい。

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