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南アフリカ戦と大西鐵之祐の「奇蹟」。~世紀のアップセットは、伝説の男の命日に起こった~
text by
藤島大Dai Fujishima
photograph byAFLO
posted2015/10/12 08:00
日の丸をふる背番号11は南アフリカ生まれの松島幸太朗選手。
ふたつの観点がある。とうとう「大西ジャパン」の呪縛が解けた。いや、これは「大西ジャパン」との連続なのだ。
ラグビーのワールドカップ(W杯)において日本代表が、南アフリカ代表スプリングボクスを破った。明確にスポーツ史の快挙だ。
誇張を嫌う英国BBC放送のサイトの報告記事に「奇蹟」とあった。それをニューヨーク・タイムズ紙が引いて伝えた。
さて「大西ジャパン」とは、かの名将、大西鐵之祐(故人)の率いた日本代表を示す。
1968年のNZ遠征での同国ジュニア代表戦勝利、'71年、東京でのイングランド戦のどちらもノートライの名勝負で知られる。スコアのみならず「日本人の特性をいかした」創造的戦法、さらには浪花節めいた人心掌握の妙で物語を紡いできた。