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遠藤航、万能タイプからの脱皮。
「ボランチなんだと認めさせたい」 

text by

オノシンタロウ

オノシンタロウShintaro Ono

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/11/14 11:15

遠藤航、万能タイプからの脱皮。「ボランチなんだと認めさせたい」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

長谷部誠が去ったボランチの筆頭候補として期待される遠藤航。ベルギーで磨いた力を更に発揮してほしい。

湘南、浦和で放った存在感。

 守備的なポジションなら、どこでも高いレベルでこなすマルチロール。

 17歳、高校生でプロデビューしてから常にクラブでレギュラーを張り続け、Jリーグなどの公式戦だけで250試合以上に出場した。最初の在籍となった湘南ではCB、3バックの右、ボランチ、さらにはFWもこなしたこともある。

 浦和に移籍してからも高いユーティリティ性を発揮し、タイトルから遠ざかっていた強豪にルヴァンカップ、そして10年ぶりのACL制覇をもたらした。様々なチーム事情が絡み合う中で、遠藤ほど重要な存在はいなかった。

 日本代表としての経歴も申し分ない。

 各カテゴリーでキャプテンを任され続けレギュラーを外れたことはない。リオ五輪世代で誰よりも早く、スタメンでA代表のピッチに立った。与えられたポジションはプレー経験のない4バックの右サイドだった。それでも、前線に駆け上がってのアーリークロスでアシストをマークし、結果を残した。プレッシャーにもめっぽう強い。

 それまで遠藤の強みは「複数のポジションが守れながら、そのどこでもファーストチョイスになれること」にあった。一般社会的にいうなら、ジェネラリストとして活躍しながらも、スペシャリストとして起用される場所でも常に最初に選ばれ続けてきたのだ。

 だからこそ、「自分はどこが専門なのか」という問いに対し、心から悩むことはなかった。

 そして、それでいいと思っていた。リオ五輪、ワールドカップを経験するまでは。

クラブだとボランチは……。

 年齢を重ねるにつれて、日の丸を背負う遠藤航は「ボランチ」が主戦場になっていた。

「五輪代表やA代表とかで、世界相手にボランチでバチバチやって、課題もいっぱい見つかった。あと海外組の選手と練習するだけでも刺激をたくさん受けられるんですよ。その刺激と課題をクラブに持ち帰って練習しようと思うんですけど、やっぱり、クラブだと、ボランチはあんまりやらないから。課題を解決できる場所がないってことが増えてきて……」

 自分と周りの求めるレベルの基準がどんどん高くなっていく。だが、浦和の選手として出場するのはセンターバック、サイドバックがほとんどだった。

 ピッチの360度全体を見渡せなければいけないボランチと、後ろを気にしなくて良い最終ライン。理想が上がったからこそ、今までは気にならなかったほんの細かな感覚のズレに気づけるようになった。

【次ページ】 万能タイプであることの葛藤。

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