濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ルール未定のメイウェザー狂騒曲。
那須川天心と大晦日RIZINで対戦!
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2018/11/07 17:00
あのメイウェザーが日本のリングに立つことだけでも驚きなのに、対戦相手は那須川天心である。
那須川「パンチは当たりそう」。
こんなこと、少し前までまったく想像もできなかった。実際、メイウェザー側からRIZINに打診があったのは10月に入ってからだという。那須川自身も「噂くらい(で終わる話)だろうなと」思っていたそうだ。
ところが本当に発表されてしまった。
「フロイド・メイウェザーJr.対那須川天心」
この字面だけでも頭がクラクラする。いや、これから大みそかまでずっと「どうなってんだ?」、「どうなるんだ?」と思わされ続けることになるだろう。気になるのはどちらが勝つか、だけではない。まずはその前提だ。
現状、正式に決まっているのは「やる」ということだけ。まず実現させることが最優先というのが榊原信行実行委員長のスタンスだ。ルールも、契約体重もこれから決めるという。那須川は57~60kgといったところで闘ってきた選手であり、メイウェザーは最終的にスーパー・ウェルター級(69.85kg)のチャンピオンになっているから体重差は大きい。
「ボクシングルールでもいいです」と言ったのは那須川だ。以前から、彼のモットーは「誰もできないことをやる、誰も行ったことがないところに行く」だった。さらには「パンチは当たりそう」とまで。
立ち技特別ルールの落としどころは。
これに笑顔で拍手を送ったメイウェザーは、ルールに関しての希望や注文を口にしなかった。
「ルールはこれから数週間かけて話し合っていくことになる。きっとRIZIN側がいいアイディアを持っているはずだ。自分としては、みんなを楽しませたい」
とはいえ、榊原氏によればMMAルールでの対戦はないという。氏の表現を借りれば「スペシャルスタンディングバウト」。要は既存のジャンル、カテゴリーに属さない“他流試合”用特別ルールである。
仮に蹴り技が「あり」になったとしても、それは全面解禁なのかどうか。メイウェザー側が「ローキックだけ禁止に」といった条件を付けてくる可能性もある。