濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ルール未定のメイウェザー狂騒曲。
那須川天心と大晦日RIZINで対戦!
posted2018/11/07 17:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Susumu Nagao
「日本に来るのは8回~10回目かな。また来ることができて嬉しい。日本は大好きだし、しかも自分にとってプロで初めての海外での試合が日本になった」
日本マット初参戦の選手として、ごくごく常識的なコメントである。なのにフラッシュとシャッター音が止まらない。何しろ言葉の主が、ボクシング界のリビング・レジェンドなのだ。
フロイド・メイウェザーJr.はキャリア50戦全勝、世界5階級制覇を成し遂げたグレート・チャンプであり、スポーツ界で最も金を稼ぐ男であり、同時にスキャンダラスな存在でもある。
暴言のみならず暴力事件を起こしたこともあり、またポイント重視の戦略が批判されることもある。
昨年はMMAファイターのコナー・マクレガーとボクシングで対戦し、KO勝利を収めている。以前にはプロレス=スポーツ・エンターテインメント団体WWEのリングに上がったことも。単に優れたアスリートというだけでなく、良くも悪くも耳目を集めてしまうのがメイウェザーだ。
メイウェザーと那須川、高田本部長。
日本でボクシングの試合を行なうということでも大ニュースだったはずだが、11月5日に彼が出席した記者会見は、MMAを中心とする格闘技イベントRIZINの大晦日大会(さいたまスーパーアリーナ)に関するものだった。
これまで桜庭和志やクロン・グレイシーが参戦し、RENAがブレイクを果たし、ボブ・サップvs.大砂嵐も行なわれたリングにメイウェザーが登場するのだ。
しかも対戦相手はキックボクシングの“神童”那須川天心だ。こちらは20歳にして32戦全勝(MMA、ミックスルール含む)である。
会見の席上にメイウェザーと那須川、さらには高田延彦統括本部長までいる光景は、異次元すぎて何が起きているか把握するのに時間がかかってしまった。