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拡大するBリーグとアジアバスケ。
琉球のテリフィック12優勝の価値。
text by
小永吉陽子Yoko Konagayoshi
photograph byASIA LEAGUE
posted2018/10/03 11:30
「テリフィック12」で見事優勝を飾った琉球。主将の岸本は大会MVPにも輝いた。
映像コンテンツでファンを獲得。
また、とくに力を入れているのが映像コンテンツだ。開催初年度から全試合をインターネットとテレビ中継でアジア各国に流したことで、中国を中心に多くのファンが観戦し、認知度を高めている。
「テリフィック12については日本ではBリーグと連携してBリーグ公式のYouTubeとFacebook、各チームのFacebookで配信しましたが、日本では合計7.7万人ものファンに視聴してもらえました」(ベイヤー代表)というデータも上がっている。
まずはアジア各国のバスケをファンに広めることが重要であり、アジアリーグが行なう仕掛けにはBリーグにとっても目指すべき手本が詰まっている。
参戦したBリーグ勢が得た収穫。
確実にアジア各国に広がりを見せ始めたアジアリーグだが、もっとも重要なことは、参戦したチームや選手たちにとって有意義なものとなることだ。テリフィック12での真剣勝負はBリーグ勢にとってどんな収穫をもたらしたのだろうか。
参戦した3チームのヘッドコーチは言う。
「全体的に自分たちは身長が小さい部類でしたが、アドバンテージが取れない中でどう戦うべきなのか、日本とはスタイルが違う国のチームに対し、自己解決できる力をつける意味で非常に有意義な大会でした。またフィリピンのチームは代表でもそうですが、伝統的に1対1が得意で、彼らは失敗しても何回も1対1を仕掛けてきました。日本では1回止めたら辞めてしまう傾向がある。戦い方がこんなにも違うのかと、参考になりました」(琉球・佐々ヘッドコーチ)
「アジアの強豪チームに僕らの目指すアップテンポなバスケができるのかを試したかった。中国や韓国には外国籍のポイントガードがいたし、フィジカルの強いチーム、高さがあるチームなど、日本とはタイプがまったく違うチームばかりだったのでとてもいい経験になった。この大会で戦えればBリーグでも通用すると思い、その自信はついた」(名古屋D・梶山ヘッドコーチ)
「2年連続で出場させてもらいましたが、普段スカウティングできない相手に対して、スタッフも選手たちもどれだけアジャストメント能力があるか、物差しになる大会です。今回僕たちは予選で負けましたが、収穫だったのはKBLの蔚山モービスと真剣勝負ができたこと。このチームには元韓国代表のヘッドコーチとベテランのポイントガードがいるのですが、どんな時も手を抜かずにハードなディフェンスをしてきます。こういうチームは日本には数少ないので、実際に対戦して選手たちにその取り組む姿勢を感じてほしかった」(千葉・大野ヘッドコーチ)