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松山英樹、締めは“Big Move”で。
5年連続トップ30は世界で4人だけ。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2018/09/27 11:15

松山英樹、締めは“Big Move”で。5年連続トップ30は世界で4人だけ。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

松山英樹にとっては米ツアー挑戦以来もっとも難しいシーズンだった。その1年を上々の形で締めくくり、今彼は何を思うのだろうか。

夏休みの宿題の独特なこなし方。

 昔から「学校の夏休みの宿題は8月31日に頑張るもの」……なんて、言われてきた(ような気がする)。松山の場合はというと「夏休みに入って最初の3日で8割くらい終わらせて、残りを最後の1日でやってました」という、これまた独特の手法で2学期を迎えていたそうだが、今年はまさに締め切り間際の追い込みが効いた。

 一定期間でランキングが大きく上下、とりわけ浮上した選手のことを“Big Mover”と呼ぶ。松山は今季のプレーオフシリーズ初戦から最終的に63ランクアップした。

 これは今季のポストシーズンにおいて、全選手中一番。まさに“Biggest Mover”となったわけだ。

 思い返せば昨季は3勝したレギュラーシーズンを堂々のランキング1位で終えながら、プレーオフシリーズで振るわずランク8位に順位を下げて終わった。2季の間にシステムに泣き、システムに救われた。

 松山にとっての最終戦進出はここ数年、「最低限のハードル」に位置付けられたもの。ポストシーズンに目的意識をはっきりさせ、なんとか帳尻を合わせた。

「理想の5%くらいをキープしてる」

 ただやっぱり、残した結果と内容への評価には乖離がある。

 今季はケガをした後も「体のフィーリングが良い。スイングした時にシャフトやクラブを伝ってくる感触なんかがいい」という実感があり、自分が思い描く球筋を試合中も追求してきた。優勝争いの最中に、絶対的な自信を持って打てるショット――極限状態で感覚とイメージ、そして結果がマッチしたウィニングショット作りに取り組んできた。

 進捗状況について「フェニックスオープン(故障で棄権した2月初旬)からずっと“底辺”にいた」と少し前の状態を表現した。

「ドライバーもどれを使うか、アイアンも(シャフトやヘッドの新調をして)定まっていない時期があった。それで理想の球を打ちたいと思っていたところには、まだかけ離れていた」

 それが最終戦の段階では「今は底辺から脱したあたりのところ」と言った。「きっかけは(プレーオフ第2戦)デルテクノロジーズ選手権の3日目(スコアは67)でしたね。理想を100%とすると、ゼロ%だったのが、5%、10%まで上がって、また結果が伴わないとまたゼロに逆戻りしてきたんですけど。それが今は5%くらいをキープしているところ。かけ離れていたのがちょっと近づいたかなあ」

【次ページ】 3歩進んで4歩下がる日だってある。

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