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“スーパー原口元気”になるために。
背番号10と代表リーダーへの覚悟。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2018/08/08 11:30
浦和、ブンデス、日本代表で背番号10をつけたことは意外にもない。原口元気はエースナンバーの重責に応えることはできるか。
代表でもリーダーとなれるように。
もちろん、ロシアでの戦いを終えた後だから、感じることもある。
「今回は、本当に良い経験をさせてもらったので。ここからの4年間は自分が日本代表を引っ張るという気持ちでやります。今まで日本代表を支えてくれた選手のなかで、いなくなる選手もいるので、自分もそういう立場でしっかりと日本代表を引っ張っていけるような、1人のリーダーになれるように頑張っていきたいなと思います」
7月28日からハノーファーの練習に合流した原口は、地元メディアに対して新チームの印象を語った後に、こんな興味深いコメントを残している。
「あとは、僕は全ての選手たちとドイツ語(だけ)で話したくて、そのためには自分のドイツ語のレベルもさらにあげないといけないですね」
これに対して、ブライテンライター監督は、こう付け加えている。
「原口はよくドイツ語を理解しているし、話している。だから、ここではコミュニケーションの問題はないのだけれどね」
ドイツでプレーする上で、現時点の語学力でも問題はない。しかし、今以上に流暢に話せるようになったとしてマイナスは1つもない。今まで以上にプレーしやすくなるし、新たな発見もあるだろう。
現状の力を100%出すという考え。
大切なことは、置かれた場所で全力を尽くすことだ。
言い訳なんて探そうと思えばいくらでも見つけられる。いつまでドイツにいるかわからない。ドイツ語を学ぶ時間を割くくらいであれば他の時間に使いたい……。
しかし、その場に応じて必要なことに原口は取り組んできた。
例えば、今年4月のこと。W杯を直前に控えた時期に、こう話していた。
「本当は日本を一発で助けられるような、スーパーな選手になりたいわけですよ。でも、今から短期間でスーパープレーヤーにはなれないわけで。じゃあ、何をするかというと、今の自分の力を100%ピッチで出すことが、日本のためになるので。
それが80%だったり、70%だったら、チームのためになれない。いつでも100%の力を出せるようになるために、試合をして、トレーニングをして、リラックスもして、今までやってきたことをやり続けていかないといけない」