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北朝鮮もアイスランドみたいに。
ヴェルディ李栄直がW杯で得た熱。
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/07/27 08:00
鄭大世や梁勇基らJリーグの歴史を彩ってきた北朝鮮代表の選手たち。李栄直もその1人となれるか。
「与えられた条件の中で生きていく」
日本と北朝鮮のあわいを生き、言葉では言い表せない屈託はあろう。しかし、それらはきれいに心の奥底に沈め、ひょうきん者に徹する。
「与えられた条件の中で、生きていく方法を見つけるのが一番大事」との達観、向日性の強さはリベラルな家庭環境で育ったことに起因すると思われるが、広い世界とつながっているサッカーがそうさせた面もあるに違いない。
学校生活以外の在日コミュニティと距離を置いてきた李は、代表のシャツに袖を通すことで国を背負って戦う意味を知り、祖国との繋がり方を見つけた。
27歳の李にとって、おそらく次のワールドカップがラストチャンスになるだろう。その戦いはすでに始まっている。