くまさんの蹴球漂流記BACK NUMBER
3トップより凄いリバプールの魅力。
聖地アンフィールドの“ご加護”。
posted2018/05/08 10:30
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph by
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)決勝の顔合わせが決まりました。
3連覇を狙う王者レアル・マドリーに挑むのは、6度目の優勝を狙う名門リバプール。11年ぶりのファイナル進出です。
このリバプールの勢いを象徴するのが、プレミアリーグ56ゴールを叩き出すサラー、フィルミーノ、マネの3トップ。しかし伝統のスタジアム、アンフィールドの“ご加護”も見逃せません。
CLでは5勝2分無敗。プレミアリーグでも11勝7分無敗。独走で優勝を決めたマンチェスター・Cもマンチェスター・Uに惜敗しているので、プレミアリーグ全20チーム中、ホームで負けていないのはリバプールだけなのです。
荘厳な『You'll never walk alone』の大合唱で知られるアンフィールドは2007年、「英国民が選ぶヨーロッパで最も雰囲気のいいサッカースタジアム」に選ばれた聖地であり、世界中から“巡礼客”が絶えません。私も過去3度、スタジアムツアーに参加したことがあります。
「その昔、ファーガソンさんが……」
3度もツアーに参加したのは、いろいろな意味で面白いからです。
ツアーはガイドによる恒例のあいさつから始まります。
「初めましてガイドの○○です。ところで私の英語分かるか?」
リバプール独特の訛りを逆手に取ったジョークにツアー客は大笑い。しかし、私も含めてよく分かっていない客も少なくありません。
続いてアウェイチームの入場口のところでも、またひとネタ。
「その昔、ここで大変素晴らしい出来事がありました。アレックス・ファーガソンさんがジャガイモをぶつけられたのです」
また爆笑。こういうユーモアがJリーグのクラブにもあったらなあ……。“レッズ愛”だだもれのツアーは、中毒性が高いのです。