藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER
藤田俊哉が本田圭佑に聞いたこと。
「今回がおそらく最後のW杯に」
text by
藤田俊哉Toshiya Fujita
photograph byGetty Images
posted2018/03/05 11:45
パチューカで得点を量産している本田圭佑。3月の日本代表戦での復帰はあるのか。
実績ある選手たちは活躍できるか。
W杯に過去3大会以上出場している選手はブッフォン(イタリア)やカシージャス(スペイン)など多くがGKだ。フィールドプレーヤーではシャビ(スペイン)やピルロ(イタリア)、クローゼ(ドイツ)などわずかな選手しかいない。2006年ドイツ大会、2010年南アフリカ大会の各国代表選手をみると、3大会連続でメンバー入りするケースはほんの一握りだった。
しかし2014年ブラジル大会では、3大会連続となる選手がドイツ代表に5人、スペイン代表に9人もいた。そんな選手たちで構成されたチームには、それだけの経験と実績がある。ただ一方で、世代交代が遅れているとも考えられる。
日本代表もこのまま進めば、中心選手の5人以上が南アフリカW杯から継続して出場することになる。
ロシアW杯において日本代表は、実績ある選手たちの活躍で、前回のドイツ代表のような好成績につなげられるのか。あるいはスペイン代表のように、グループリーグ敗退という結果で世代交代の遅れを指摘されることになってしまうのか……。
誰にもわからない未来の話だが、W杯まで数カ月、私はヨーロッパ各国のリーグ戦、各国の代表選手をできるだけ見ようと考えている。そしてこの原稿を書いている間にも、本田のゴールによってパチューカが勝利したとのニュースがあった。
いまの本田圭佑は、ロシアW杯のピッチに立ってもおかしくない状態にある。メキシコでのプレー時間が増え、コンディション面での不安は大きく改善された。パスを多用し無難なプレーに徹していた印象が強いミラン時代と比べ、パチューカでは自らのアクションで局面を打開しようとする推進力を強く感じる。ドリブルでボールを運び、相手と1対1の勝負を試み、突破することで数的優位を作り出す。そんなプレーが増えた。
躍動感が戻った本田圭佑の活躍が、日本代表を新しい世界に導いてくれることを楽しみにしている。