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渡辺直人、涙のトレードから8年後。
引退ではなく楽天復帰で「恩返し」。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2018/02/10 07:00
楽天時代の2010年、サヨナラ打を放ち大喜びする渡辺直人。楽天ファンの思い入れも強い選手だ。
自分を待ち望んでくれた人たちへの恩返し。
2月も半ばに差し掛かれば実戦が増えてくる。経験豊富な選手とはいえ、熾烈な競争に勝たなければ開幕一軍の切符を手にすることはできない。そんなことは、直人だって理解している。だからこそ、足元をしっかりと見つめ、こう強く言い切るのだ。
「実戦に入ったらスピードに慣れるとかいろいろありますけど、でもね、やっぱり怪我をしないこと。本当にそれだけ!」
楽天の本拠地開幕戦は4月3日。
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待ちわびた瞬間までもう少し。楽天生命パーク宮城に直人の名が響き渡るとき、スタンドを埋め尽くしたファンは、それまでの想いをぶつけるように「おかえり!」と叫ぶ。
自分を待ち望んでくれた人たちへの恩返し。無数の力を背に、直人は「イーグルスでやりきる」と誓う。