「宣言」する勇気はいらないけど、「職探し」が必要。

「この話があるまでは、ほとんど日本のプロ野球のことを知らなかった。トム・セレックが出演した『ミスター・ベースボール』って映画で『シュート』って球種を知ったぐらいだ（笑）」

　と、ジー。「いつかはメジャーにカムバックしたいんだろう？」とコメンテイターにお気軽に尋ねられた時、彼は日本球界移籍を「腰かけ」程度に考えているわけではないことを明らかにした。

「いかに適応するのかということしか考えてないよ。これはチャンスであるけれど、新しいチャレンジでもある。自分のことを熱心に誘ってくれた球団だし、その期待に応えたい」

　メジャーリーガーは日本のプロ野球選手のように「せっかく手に入れた権利ですから」と理由付けして、わざわざ「FA宣言」をする必要はない。そんな余計なことをする必要がない代わりに、「職探し」をしなければならない。契約満了前にしっかりした成績を残していれば何の問題もないが、そうでなければ「職探し」は難航する。

　ジーはそういう選手だったし、もしも彼が中日からの誘いを断って今もメジャーリーグからの打診を待ち続けていたら、他の誰かがジーの代わりに中日入りしていたかも知れない。

　FAになるというのはそういう覚悟のいることであり、今もまだ、多くの選手がFAのままで新しい所属球団が決まらずに2月を迎えようとしている。

　そして、その中にはイチローや上原浩治といった日本人選手も含まれている。