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宮里美香はなぜ現役を続行するか。
踏みとどまらせた“先輩”藍の言葉。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2017/12/07 07:00
9年もの長きの間、米女子ツアーで戦い続けてきた宮里。その偉業は、次世代へと再び引き継がれていくはずだ。
見失っていた自分を、もう一度取り戻すために!
もともと宮里は、アグレッシブに攻めていくゴルフを標榜していた。第2打でピンを刺すようなショットやショートゲームが持ち味だったのだ。
無心で自分のイメージするショットを打てた時に、ゴルフの楽しさを感じるという。
「(前回の楽しいゴルフは)うーん、いつでしたっけ。2年前?(笑)」
そんな大事な気持ちを思い出せないくらい自分のゴルフを見失っていたということに、ようやく気づいたのだ。
「久々に楽しいラウンドができた」
楽しみと不安な気持ちが入り混じる中、11月末の最終予選会に臨んだ。
初日から4日目まで、ショットやパットでうまくしのぎながら全体の流れを作っていった。だが5日目の最終日、ショットが安定せず、ズルズルと6つスコアを落としてしまった。バーディーパットを何度か外して、天を仰ぐ。
「全体を通して『アンダーパーで回らないと厳しい』というのは分かっていましたが、4日目から良いプレーができず、気持ちだけ空回りしました」
度々の休養による筋力の低下を筆者は敗因に考えたが、宮里は即否定した。
「(ショットの)飛距離はほとんど落ちていないし、自分のイメージしたショットができて……久々に楽しいラウンドができたんだから(笑)」
米ツアーの出場権を逃したものの、戦える自信を確認できたことは大きな収穫だった。
来季は日本ツアー中心に戦っていくことを示唆した。
天才児に再びスイッチが入った。