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尼崎4時36分発の始発で甲子園へ。
この球場が幸せな場所である理由。 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byKyodo News

posted2017/08/20 07:00

尼崎4時36分発の始発で甲子園へ。この球場が幸せな場所である理由。<Number Web> photograph by Kyodo News

甲子園の主役は選手だが、この場所で“勝負”をしている人もまた多い。その熱量もこの場所には渦巻いているのだ。

甲子園は、最高に幸せな場所だ。

 ありがたいことに、私はある出版社さんから甲子園大会の取材証を託されて、ネット裏の記者席から試合を観戦し、試合のあとにはインタビュールームに下りていって、選手や監督さんの囲み取材に参加することができる。

 毎年、甲子園大会が始まって、球場にやって来て、記者席に腰を下ろし、球場のすみからすみまで眺め回して、甲子園の空を見上げる時、私はいつも「ああ、今年もこの席で仕事ができて幸せだなあ~」と大きな声で叫んでしまって、居合わせる記者たちから失笑をかっている。

 笑われても、からかわれても、そう叫ばないではいられないほど、私は本当に幸せなのだ。

 外国人の旅行者がたくさんやってくるせいか、今は大きな街のホテルの値段がどんどん上がってしまって、何日も取材を続ける費用もたいへんなのだが、それでも自分がいちばん好きなことで、いちばん得意なことで世の中と勝負できる喜びを、じんわりと実感させてもらえるのが、この甲子園の記者席なのである。

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