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MLBの新星ジャッジとベリンジャー。
新人長距離砲はホーナーを超えるか。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2017/06/24 07:00

MLBの新星ジャッジとベリンジャー。新人長距離砲はホーナーを超えるか。<Number Web> photograph by AFLO

バットを振ればホームラン。ベリンジャーの量産がこのまま続けば、全米にブームが巻き起こるかもしれない。

ボブ・ホーナーが保持していた記録を上回った。

 ベリンジャーの特徴は、思い切りのよさとバットスピードの速さだろう。打球の速さはジャッジほどではないが、アッパーカット気味のスイングから放たれる打球は、きれいな弧を描いてスタンドに飛び込んでいく。

 もうひとつの特徴は、固め打ちができることだ。複数本塁打のゲームは、すでに5試合もある(4月29日のフィリーズ戦/5月5日のパドレス戦/6月11日のレッズ戦/6月13日のインディアンス戦/6月19日のメッツ戦)。これは、'78年の新人王ボブ・ホーナー(ブレーヴス)が保持していた記録を上回る。あの年のホーナーは、デビュー後63試合で複数本塁打を4度記録したのだった。

 ベリンジャーの最近の爆発が凄まじいので、ジャッジの分析がつい後回しになってしまった。しかし彼は、ベリンジャーをしのぐ驚異的な活躍を見せている。

ジャッジも初速195キロ、最大飛距離151メートル。

 最近でいうと、6月10日のオリオールズ戦で、ジャッジは恐るべき弾丸ライナーの本塁打を放った。ビデオで見てもらえばわかるが、初速121マイル(195キロ)の打球というのは、文字どおり眼にも止まらない。あっと思ったときは、すでに左翼席に打球が吸い込まれていた。これは今季最高速打球の本塁打だった。

 翌日の同カードで、彼は今季最大飛距離となる495フィート(151メートル)の特大弾を放った。高いアーチを描いた打球が、ヤンキー・スタジアム左中間の最深部に突き刺さる映像は、ホームランの快楽に満ちあふれたものだった。近ごろでは、ジャンカルロ・スタントンの500フィート超えの本塁打に匹敵する打球ではなかったろうか。

 こういう打球を続けざまに見せられると、どうしても歴史的な選手と比較したくなる。ジャッジは6月20日現在、打率=3割3分3厘/出塁率=4割4分3厘/長打率=7割4厘という圧倒的な数字を残している。シーズン終盤までこの水準を維持するのはむずかしいだろうが、最終的にどんな数字を残すかが楽しみだ。なにしろ、球史を振り返っても、300/400/600超えを果たした新人選手は、たった3人しかいない。

【次ページ】 マグワイアの新人最多本塁打「49本」も射程圏内。

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