スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
MLBの新星ジャッジとベリンジャー。
新人長距離砲はホーナーを超えるか。
posted2017/06/24 07:00
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
AFLO
大リーグの本塁打王争いに新風が吹き込んでいる。新風というよりも嵐だ。この嵐があと100日ほどつづけば、野球史に新たな1ページが加わるかもしれない。
思わせぶりな言い方はやめよう。
6月20日現在、ア・リーグでもナ・リーグでも、新人選手が本塁打王争いのトップを走っているのだ。
ア・リーグではヤンキースのアーロン・ジャッジが24本塁打を放っている。ナ・リーグではドジャースのコーディ・ベリンジャーが22本。ジャッジは'92年4月26日生まれの25歳で、ベリンジャーは'95年7月13日生まれの21歳だ。ふたりとも大型選手で、スケールを感じさせる。ジャッジは201センチ、127キロの巨体だし、ベリンジャーも193センチ、95キロの堂々とした体躯だ。
ジャッジの大リーグ昇格は、2016年8月13日だった。結局、この年には27試合に出場し、84打数15安打の成績しか残せなかった。というわけで、'17年も新人の資格をキープしている。
たった52試合で22本塁打を放ったベリンジャー。
一方、ベリンジャーが大リーグに昇格したのは、'17年4月25日だ。いわば湯気の立つようなルーキーで、まだ52試合にしか出ていない。こんな短期間で22本塁打とは、素晴らしいペースではないか。
そう思って資料を調べてみると、51試合で20号本塁打に到達したのは、彼を含めて史上3人しかいない。第1号は1930年のウォーリー・バーガー(ブレーヴス)で、2人目は2016年のゲイリー・サンチェス(ヤンキース)だ。ちなみにいうと、7月に入る前に20本塁打に到達した新人も、ベリンジャーを含めて4人しかいない。先に挙げたバーガーが第1号で、あとは2001年のアルバート・プーホルス(カーディナルス)と'15年のジョク・ピーダーソン(ドジャース)。