F1ピットストップBACK NUMBER
佐藤琢磨の快挙がホンダの勇気に。
インディ500制覇、F1界からも祝福。
posted2017/06/04 09:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
AFLO
今年のモナコGPはセバスチャン・ベッテルがトップでチェッカーフラッグを受けた後も“レースが続いた”。
モナコGPが終了してから約2時間半後、アメリカのインディアナポリスで、F1モナコGP、ル・マン24時間とともに世界三大レースのひとつに数えられているインディ500が始まろうとしていたからだ。
特に今年は現役のF1ドライバーであるフェルナンド・アロンソが参戦するとあって、F1界もインディ500に大きな関心を寄せていた。アロンソの所属しているマクラーレンは、ライブストリーミングをモーターホーム内の大画面に映し出し、チームスタッフはもちろん、他チームのレース関係者やメディアも招待して、F1界一丸となってアロンソを応援していた。
一時トップのアロンソのリタイアで悲鳴が上がったが。
その声援を受け、アロンソも見事な走りを披露した。予選で2列目5番手を獲得しただけでなく、スタートから37周目にはトップを快走してみせた。
この走りには、マクラーレンのモーターホームで応援していた人々だけでなく、メディアセンターにいたジャーナリスト、カメラマンたちも興奮していた。
メディアセンターにあるモニターは通常レースが終了するとF1のレースを再放送するのだが、この日はメディアセンターの半分のモニターがインディ500の中継に切り替えられ、オーバーテイクやクラッシュのたびに、あちこちから歓声が挙がっていたほどだ。
そんな中で、この日最も大きな悲鳴が起きたのは、179周目のメインストレートでアロンソがエンジンから白煙を上げながらスローダウンした瞬間だった。