ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
村田諒太の敗戦と判定を検証する。
実は亀田戦と同じジャッジが!?
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2017/05/22 13:00
試合直後で判定に納得できない部分もあるだろうに、村田諒太はエンダムにも会見にも笑顔で対応した。心の容量はどうなっているのだろうか。
電通、フジ、帝拳のプロジェクト第1章は幕を閉じた。
48年ぶりに生まれた日本人2人目の金メダリストを、22年ぶりのミドル級世界王者、そして世界に通用するスター選手に育て上げる―─。
広告業界最大手の電通、フジテレビ、帝拳プロモーションが手を組み、米大手プロモーションのトップランク社も巻き込んだ4年にわたるビッグプロジェクトは、初期の目標を達成できず、ひとまず第1章の幕を閉じた。
村田は試合後の記者会見で次のように語った。
「負けたからといってもう1回がんばるんですって簡単に言えるかというと、正直そんな簡単な日々を歩いてきたつもりはない」
多くの労力を費やした第1章が終わり、第2章がどのような形でスタートするのかはわからない。ただし、村田の立ち位置がはっきりした今、世界のどんな強豪が相手であろうと、村田は素晴らしい勝負を、ボクシングの醍醐味を、世界のファンに届けることができるだろう。エンダム戦の結果は残念ではあるが、決して悲観することはない。