濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
木高イサミ、大家健から石川修司まで。
GWに繋がったマット界の“男の星座”。
posted2017/05/02 17:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
ゴールデンウィークという言葉は映画の宣伝が発祥だという話はよく知られている。
観客ありきという意味では“エンターテインメント産業”であるプロレスも、大型連休はかき入れ時だ。連日、大小さまざまな興行が日本全国で開催されている。
数え切れないほどのプロレスラーがリングに上がる中、最も“働き者”なのは木高イサミかもしれない(木高の名字は本来「はしご高」)。
4月28日の大日本プロレス・後楽園大会から5月7日の全日本プロレス・川口大会まで、実に10連戦である。自身が代表を務めるプロレスリングBASARAと大日本とZERO1が2大会ずつあるものの、それ以外はすべて違う団体への参戦だ。
それだけ人気があり、どんなリングでもインパクトを残す個性と器用さが認められているということ。
「1つの団体の巡業で連戦っていうのはありますけど、今回みたいなパターンは珍しい。うまくスケジュールがハマったんですよね」とイサミ。
ということは、普段は日程が重なって断る試合もあるのだろう。
BASARA後楽園大会は“少年マンガの世界観”で。
4月29日には、昨年旗揚げのBASARAが2度目の後楽園ホール大会を行なった。第1試合は中野貴人のデビュー戦、対戦相手は、団体代表のイサミだった。
BASARAは新木場1stRINGなど小規模な会場がベースのインディー団体だ。小さい団体だから、何事にも結束してぶつかっていくしかない。
新人レスラー、つまり新しい仲間を迎える役は、当然リーダーということになる。それが、イサミが目指す「少年マンガの世界観」でもあるのだ。
BASARAは熱苦しくむさ苦しく、バカバカしくもあり、でもかっこいい。そんな世界には女性ファンも多い。キャプテン翼だってスラムダンクだって女性読者は多い。それと同じことだ。