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1番人気が3年連続で崩れた桜花賞。
ソウルスターリングはなぜ負けたのか。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2017/04/10 11:20
阪神の桜は満開だった。しかし桜花賞ゴール直後、スタンドはソウルスターリングの敗戦に静まりかえっていた。
3年連続で1倍台の1番人気が負けた桜花賞。
それにしても、桜花賞は難しい。
これで4年連続、単勝1倍台の大本命が現れたのだが、ここ3年は、その支持に応えられなかったことになる。それぞれの馬名と単勝オッズ、着順は――。
2014年 ハープスター 1.2倍 1着
2015年 ルージュバック 1.6倍 9着
2016年 メジャーエンブレム 1.5倍 4着
2017年 ソウルスターリング 1.4倍 3着
直線の長い外回りコースが新設され、そこで桜花賞が行われるようになった2007年以降は、こうした大本命が出やすくなった。
そうしたなか、ここ3年連続人気を裏切ったのはすべて関東馬だ。それも長距離輸送の難しさを示している。
ウオッカも、桜花賞では負けている。
過去2年より、今年の敗戦のほうがショックが大きかったように感じられるのは、やはり、ソウルスターリングが「怪物」フランケルと名牝スタセリタの仔で、それも世界に誇る代表産駒であり、伯楽・藤沢和雄調教師が手がけ、名手クリストフ・ルメールが主戦という「磐石感」と、先々への期待感が強かったからか。
メジャーエンブレムにも乗っていたルメールは、「去年もメジャーエンブレムは桜花賞を負けたけど、次のNHKマイルカップを勝った。だから今年も頑張る」と言い、阪神競馬場をあとにした。
そうだ、ウオッカだって、桜花賞で2着に負けた次走で、牝馬として64年ぶりにダービーを制するという偉業をやってのけたのだ。
ソウルスターリングの今後のレーススケジュールは未定とのことだが、今週の皐月賞に出走するファンディーナとどこで初対決するかなど、まだまだ大きな楽しみはたくさんある。