話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
「リオ以外何もなかった」昨季。
原川力、自分も鳥栖も改革する。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/04/08 07:00
すでに今季は直接FKで2得点を決めるなど、原川は個人技術の高さは発揮している。異彩を放つ鳥栖の新たなエッセンスとなれるか。
豊田、イバルボらの特長をどう生かせばいいのか。
課題は山積だが、FC東京戦はまだ5試合目である。原川はチームの出来や自分自身に何か手応えを感じたことがあるのだろうか。
「まだ、90分を通して手応えを得られるような試合はないです。もっとボールに触りたいですし、攻撃にかかわる回数も少ない。陽平(豊田)さん、イバルボとか前に特長のある選手がいるんで、その特長をうまく引き出すためにボールをもっと持たないといけないですし、ボールをもっとゆっくり回すことも必要。そこはまだ改善されてないですし、僕がやっていかないといけない」
自分に厳しいのは京都サンガ時代からだが、原川が今シーズンに賭ける思いは非常に強い。2016年、リオ五輪を見据えて成長するために、京都サンガから川崎に移籍した。しかし、リオ五輪が終わった以降も風間八宏監督の信頼を得られず、一時期はサイドバックにトライするも結局4試合の出場に終わった。
昨年はリオ五輪以外、何もないシーズンだった。
「昨年はリオ五輪がなかったらゾッとするというか、何もないシーズンだったんで、そこの焦りはもちろんありました。焦り過ぎてもいけないけど、焦るという気持ちを失わないようにプレーしていかないといけない。とりあえずこの1年間は試合に絡みつづけて結果を出しつづける。そこが目先の目標なので、そこをまずクリアーしていきたい」
原川は「目先の目標」と表現したが、その視線の先にはW杯がある。リオ五輪世代の選手たちは日本代表でプレーするようになっている。浅野拓磨は代表の常連になり、植田直通、遠藤航らもいる。久保裕也は先のUAE戦とタイ戦で結果を出し、右MFのポジションを本田圭佑から奪った。親友の久保が活躍する姿を見て、大の負けず嫌いなだけに“自分も”という気持ちが強いはずだ。