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原口元気「良い方向に進んでいる」
W杯で勝つなら今の戦い方は正解だ。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/04/02 11:30
倒されても感情をコントロールできる。原口の精神面の充実は、代表のサッカーが自分にマッチしてきたからなのかもしれない。
規律、自己犠牲の精神に優れている。
「だから監督もメンバーを代えたり、選手を代えたりできるのかなと思う。その辺の選手たちの準備とか心の持ちようは、非常に尊敬できると思います。それが日本人の性格じゃないですかね。規律、チームプレー、犠牲心というところは、とてつもなく他国に比べて優れていると思います」
11カ国の選手が集うハンブルガーSVでキャプテンを務める彼の発言は、説得力を帯びている。
2014年ブラジルW杯における失敗は、自分たちの実力と適性をとらえきれずに、目標を設定したことだろう。「アジアのチームとの試合ではボールを持てるので、それで勘違いしてしまった」という声も聞かれた。しかし考えてみれば、ブラジルやフランスとアウェーで戦った際にも、自分たちが主導権を握るような戦いは全く出来ていなかったのだ。
結果を残すためなら、進むべき方向は間違いではない。
W杯のグループリーグで戦うとき、日本がボールを持てる展開になるのは考えづらい。しかしそれは、その相手に日本が勝てないということを意味しない。
もちろん、現在のチームが身につけつつある戦い方の結果が、4-0というスコアとは程遠い内容しか見せられなかったタイ戦だったわけで、改善の余地は大いにある。それでも、W杯で結果を残すことを目標にするのであれば、進むべき方向は間違いではないはずだ。
いつかは、“勝ち方”まで求める日が来るのかもしれない。
しかしそこに至るまでには、まだ積み上げないといけないものだらけだ。日本にプロリーグが出来てから24年で、ヨーロッパの舞台でコンスタントに日本人選手が活躍するようになってからも、まだ日が浅い。