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新たな世界1位はどんな選手なのか。
ダスティン・ジョンソンと家族の物語。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2017/02/23 08:00
試合後のテイタムくんとのツーショットもすっかり定着した。昨年22試合に出場して3勝、予選落ち1回。この安定感は驚異だ。
嬉しい時も、悔しいときも傍らに妻と子がいる。
今回、ジェネシス・オープンで優勝すれば世界一になるチャンスを迎えていたジョンソンにリビエラの観衆は温かかった。
「僕は世界一になるために戦うのではなく、この試合に勝つために戦う」
きっとそれはジョンソンの本心だったのだろうが、圧勝して世界一に輝いた彼は少し照れ臭そうに「いい気分だ」と頬を緩めた。
駆け寄ってきたテイタムくんを抱き上げると、フィアンセのポーリナから祝福のキス。彼女のお腹の中には新しい命が宿っている。
うれしいときも悔しいときも、抱き上げる人、抱き寄せる人が存在していることが、ジョンソンを成長させ、彼を支えている。
テイタムくんを抱き、優勝トロフィーを抱き、世界ナンバー1のタイトルを抱いたジョンソン。それでもなお「一番大事なのは勝つこと」だと言い続けていたが、その先には、もう1つ、あるフレーズが隠されているのではないだろうか。
「一番大事なのは勝つこと。勝って大切な人を抱き上げ、抱き寄せること」
そんなDJが世界一になったことは、サクセスストーリーであり、ラブストーリーでもある。