話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
待ち望んでいた風間監督との出会い。
佐藤寿人は第2の憲剛、嘉人になる。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKyodo News
posted2017/02/14 11:30
赤いユニフォームを着た佐藤寿人には、まだ率直に言って違和感がある。しかし、試合になればチームのために全力でゴールを狙う男なのだ。
「これが最後の移籍になる。その覚悟」
佐藤にはゴール以外、もうひとつ大きな仕事がある。キャプテンとして、チームをひとつの方向に導いていかなければならないのだ。
「いいときはともかく、苦しいときやチームがうまくいかないとき、どうチームをいい方向にもっていけるかですね。あとは選手個々が成長する、個々がクラブのために何ができるのかという意識を持たないと優勝はできない。それは広島での経験でもあるので、そういうことをしっかりと考えられるようなチームにしていきたい」
佐藤が広島を去る時、涙を流していたのが印象的だった。
12年間、在籍し、優勝や得点王などさまざまな経験をし、広島のファンに愛された。彼自身、広島で引退するつもりでいた。その気持ちを翻して名古屋にやってきた。
「これが最後の移籍になる。その覚悟できました。グランパスはこの先さらにつづいていかないといけないクラブなので、そのスタートのところに関与できる。グランパスの強い時代を作っていきたいので、クラブとともに一緒に成長していけたらと思っています」
狙いは2010~2011年に柏レイソルが、そして2013~2014年にガンバ大阪が達成したJ2優勝、翌年J1で優勝という偉業達成だ。
「周囲はあまりそんなことを考えていないと思うけど、そういう時こそチャンスなので、狙っていきたいですね(笑)」