Jをめぐる冒険BACK NUMBER
大久保が前線から、林が後ろから。
2人が問題視するFC東京の「甘さ」。
posted2017/02/07 07:00
![大久保が前線から、林が後ろから。2人が問題視するFC東京の「甘さ」。<Number Web> photograph by AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/3/4/1500wm/img_34a740917850390652f568d08b4c20e0231620.jpg)
大久保嘉人が川崎にもたらしたのはゴールだけではなかった。FC東京でも、チームにポジティブな緊張感を与えられるか。
text by
![飯尾篤史](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/9/-/img_f95ef5c9e8e76422322a429d92cc938d209844.jpg)
飯尾篤史Atsushi Iio
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AFLO
それは、異例の挨拶だった。
昨シーズンのホーム最終戦、ベガルタ仙台を1-0で下したあとのセレモニーでFC東京のキャプテン、森重真人がファン・サポーターの前に立ち、こんな話をした。
「選手たちだけではなく、現場のスタッフ、フロントのスタッフ、FC東京という会社としてプロフェッショナルでなければ、ここで勝つことは難しいと思っています」
ともすればフロント批判とも受け取られかねないが、近年の成績を振り返れば、それを言葉にした森重の決意や覚悟が痛いほど伝わった。
2011年にJ2に降格した東京は1年でJ1に復帰したものの、その後10位、8位、9位と中位に終わる。'15年は過去最高成績となる4位に躍進したが、最終節で3位から滑り落ち、掴みかけていたチャンピオンシップの出場権を取り損ねてしまう。
「今年こそ」とリーグ優勝を目標に定めた昨シーズンも、監督を途中解任した末に9位に終わり、思い描いていたものとはかけ離れたシーズンだったのだ。
クラブ全体が本気で変わらなければ、タイトルは掴み取れない――。森重が訴えたかったのは、そういうことだろう。
今オフ、FC東京は異例の超大型補強を敢行した。
その点で、今シーズンの大型補強は、フロントからのひとつの解答と言えるかもしれない。
日本代表のDF太田宏介を2年ぶりに復帰させ、日本代表のGK林彰洋、元日本代表のFW大久保嘉人と永井謙佑を獲得しただけでなく、1月25日には元日本代表のMF高萩洋次郎の獲得を発表した。それだけでは飽き足らず、日本代表の清武弘嗣の獲得まで狙っていたのだから恐れいる。
清武はセレッソ大阪に譲ることになったが、さらなる外国人選手の獲得を模索しているというから、首都クラブの本気度が伝わってくる。