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小笠原満男が絵馬に書いた「世界一」。
レアル相手でも、ひょっとしたら……。
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byAFLO
posted2016/12/17 11:00
小笠原満男は、誰よりもタイトルを持ちながら、誰よりも負けず嫌いのままでい続けている。彼の背中を見て、若手もそう育っていくのだ。
レアルに勝つ確率はとてつもなく低いがゼロじゃない。
レアルに一瞬の隙が生まれるとすれば、サイドのスペースだ。鹿島の粘り強い守備に焦れたサイドバックのマルセロやカルバハルが、前のめりになった背後に金崎夢生や土居聖真が走り込み、一気にフィニッシュに持ち込めるか。まさに準決勝アトレティコ・ナシオナル戦の85分、ボール奪取から遠藤康→金崎夢生→鈴木優磨と、わずか2本のパスでゴールネットを揺らした3点目のようなゴールを再現できるか。
とはいえ、この試合で鹿島がレアルに勝つ確率は、とてつもなく低い。世界じゅうの人々が、レアルが勝つと思っている。
だけど、可能性はゼロじゃない。世界一へ、「やってできないことはない」と信じている男がキャプテンマークを巻くチームだからこそ、「ひょっとしたら」を期待してしまうのである。