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朝日杯が「2歳女王決定戦」になる!?
ミスエルテがフランケル時代を創る。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2016/12/17 08:00

朝日杯が「2歳女王決定戦」になる!?ミスエルテがフランケル時代を創る。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

ミスエルテが勝てば、ソウルスターリングに続きフランケル産駒が2週連続でGIを制することになる。

GI完全制覇がかかる武豊はタガノアシュラで逃げる。

 平地GI完全制覇がかかる武豊のタガノアシュラ(牡、父マンハッタンカフェ、栗東・五十嵐忠男厩舎)は、前記2頭とは対照的な脚質だけに面白そうだ。絶妙のラップで逃げて後ろをがんじがらめにする「タケマジック」が見られるか。

 クリストフ・ルメールのダンビュライト、札幌2歳ステークスの勝ち馬トラスト、2戦2勝のアメリカズカップとレッドアンシェルのほか、新馬戦を勝ち、7分の4の抽選を突破したクリアザトラックも好勝負できる。

 ということで、結論。

◎ミスエルテ
○サトノアレス
▲タガノアシュラ
△ダンビュライト
×レッドアンシェル
注クリアザトラック

 ミスエルテの父フランケルが種牡馬としてもディープインパクト級なのか、その答えのひとつを内外に提示するという意味でも、非常に重要なレースになりそうだ。

ウオッカら2007年以来の牝馬豊作世代か。

 牝馬が強かった時代というと、ちょうど10年前の世代、ダービー、ジャパンカップなどを勝ったウオッカ、有馬記念などを制したダイワスカーレット、スプリンターズステークスを勝ったアストンマーチャンらがいた2007年のクラシック組が思い出される。

 この世代は、'02年に死亡したサンデーサイレンスの産駒がクラシックに出てこない初めての世代という意味で、ひとつの転換期に走った馬たちであった。

 ウオッカらが「サンデー不在世代」だったとすると、ミスエルテらの世代は「フランケル登場世代」という、世界の馬産におけるエポックメイキングな世代となるのか。

 来年からホープフルステークスがGIに昇格する可能性があり、そうなると、朝日杯のポジションはまた変わってくる。過渡期にある今年の朝日杯は2歳女王決定戦となるのか、それとも最後の2歳王者決定戦となるのか、いずれにしても楽しみだ。

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