Jをめぐる冒険BACK NUMBER
鹿島、「理想のサイクル」の証明。
タブーなき積極采配と勝利への渇望。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKiichi Matsumoto
posted2016/12/05 11:55
リーグ戦の終盤は不調に陥りゴールに見放されていた金崎夢生だが、CSでは川崎戦、浦和戦の3試合で3ゴールを決めて日本一の立役者になった。
配分金が上がる来年に向け、大型補強中。
大半の選手がミックスゾーンから去った頃、鹿島の伝統をチームに植え付けてきた人物が取材陣に囲まれていた。'96年から強化の最高責任者を務める鈴木満強化部長だ。
「今季はぎりぎりで戦って勝てたけど、ジュビロとうちが争っていた頃のように、ちょっと抜きん出たいという気持ちがある。それに今度勝ったら配分金が上がるし、ここで勝ち組に入らないと、そうじゃないところとドンドン差がついてしまうから、来年はそういう意味では無理してでも」
ここにもまた、貪欲な人がいた。18冠目を手にした瞬間から19冠目に思いを馳せる。いや、それ以前からすでに3年後、5年後のロードマップを描いているのだろう。
翌日にはさっそく、アルビレックス新潟からMFレオ・シルバ、ヴィッセル神戸からFWペドロ・ジュニオール、湘南ベルマーレからDF三竿雄斗、アビスパ福岡のFW金森健志らの獲得が間近だということが報じられた。
タイトルを取り続けているから、タイトル獲得になお貪欲になり、タイトルの懸かった修羅場を何度もくぐり抜けているから、クラブの、チームの、選手一人ひとりの経験値が一層増していく――。
鹿島は他クラブの誰もが羨む、理想のサイクルの中にいる。